おはようございます。満ちるです。
今年一番長い昼が終わる頃、
ある特別なライブが始まりました。
彼女の楽曲から
Canção de amor ~愛のうた~
と名づけられた
持田裕子(もちだひろこ)追悼ライブです。
シンガーソングライター、もっちーこと
持田裕子さんは、私の20年来の親友です。
彼女との出逢いは、文字通り
私の人生を大きく変えてくれました。
2015年3月4日未明、彼女は
がんで46歳の命を息を引き取りました。
お葬式はごく身内だけの火葬だったので、
このライブが実質、彼女を偲ぶ
最初の集まりとなりました。
6/22の追悼ライブ当日は、
生前にパートナーだった
中込祐さんのお声がけにより
総勢26名+α(飛び入り)の
ゆかりあるミュージシャンが
三軒茶屋Grapefruit Moonに集まりました。
私もギターとボーカルで
出演させていただきました。
生前、もっちーが弾いていた、
Gibsonのエレガット。
チェット・アトキンスモデルです。
この日、中込祐さんからお借りして
ステージで弾かせていただきました。
なじみの顔と、初めての顔が半々くらい。
それでも、半ば同窓会のような雰囲気です。
彼女の楽曲を、
詩(うた)をこよなく愛し、
尊敬してやまない音楽家、
という共通項によって結ばれ、
温かい一体感を生み出していました。
こちらはスピンオフ。
リハ直後の集合写真、「変顔version(笑)」
「変顔」のクオリティをこよなく求めて、何度も撮り直す我々(爆)。
わたしのリハーサル中、
思いがけない音楽仲間が
夢中になって私にカメラを向けてくれ、
「よかったよ〜!いっぱい練習した?」
なんて声をかけてくれました。
実はこの声の主、
数年前に一緒に仕事をした時に
私のプレイの貧弱さに落胆し、
「ギター、ちゃんと練習してる?
口ではギタリストとか言ってるけど、
全然ギター弾いてないんじゃないの?」
「ギターを愛してる音がしないんだよね」
「これでお金とって、罪悪感とかないの?」等々、
あえて厳しい言葉を
浴びせてくれた人でした(愛です)。
彼女はもっちーと同じく
本当に正直者で、
感覚的に違う、と感じたら、
それはもう、違うのです。
返す言葉がなくなるまで、
徹底的に言いたいことを
ズバリ、指摘されたのです。
そんな彼女だからこそ、なおのこと、
わたしの演奏する姿に
前のめりで聴き入り、
「本当によかったよ〜!」
と伝えてくれたことがことのほか、
嬉しかったのです(ホッ^^)。
第一線で活躍中のベテラン勢に混じってのライブで
内心とても緊張していたので、安堵しました。
もっちーがいて、
彼女がいて、
わたしたちは文字通り
泣き、笑い、喜怒哀楽をともにした
「ファミリー」なのです。
☆もっちーが慈善活動に従事していた頃、
一時帰国した折のスナップショット。
憤り、声を荒らげて喧嘩したこと、
悲しくて泣きじゃくったこと、
笑い転げた瞬間も、鮮明に蘇ります。
リハーサルは順調に進み、
予定よりもはるかに前倒しで終了。
…出演者が多いイベントでの
リハは、大幅におすことはあっても
はるかに前倒しで終わることなんて、稀ですよね。
心ひとつ、想いひとつであったことが
そんな事柄からも感じられました。
開演までのしばらくの間、
みんなで持ち寄った彼女の写真や、
これまでのライブのDM(ダイレクトメール)を
壁面に貼り出す作業を手伝いました。
昨年3月の最期のステージまでの
チラシやハガキの数々。
共演者、対バン、会場、日付が書かれた
数々のアートワークは興味をそそります。
ここに名前のある大半の人が
この日、この場に集まって
一緒に歌い演奏するのです。
ほとんどが彼女の作詞作曲の曲ですが、
いくつか他の方との共作がありました。
そのうちの一つが「祈り」。
作詞者である彼女から
作曲者の小林治郎さん(ベース)への
ファックスでの手書きのやりとりが
通路の壁面に貼りだされていました。
これについて、治郎さんがスピーチも。
創り手同士の生々しいやりとりが
やけに心を打ちます。
追悼ライブといっても
そこには湿った感情はまるでなく、
高揚感と熱気が立ち込めてました。
出演者の一人、ギター・ボーカルのKOWさんが撮影してくれた
写真にも見事にその臨場感が収められています。
(この記事にあるモノクロ写真は、KOWさんによるものです)
当日のセットリストと出演者を
ここに記しておきます。
悲しいのうた
小嶋佐和子 vo.
千田利貞 per.
富樫 善弥(トガゼン) per.
Way of Water
松田肇 g.
田中義人 g.
竹本一匹 g.
河野充生 b
酒井聡之 sax
野崎洋一 key.
竹内義人 ds.
はじめてがいっぱい
Yuko(笑 満ちる)vo. g.
持田浩嗣 vo.
竹本一匹 per.
扇谷研人 key.
なみだたまゆら
ねおみい vo.
佐々木真理 key.
竹本一匹 sound ball
サウダージ
田村みどり vo.
イトウマキ music saw
佐々木真理 key.
中込祐 g.
意志
KOW vo.g.
扇谷研人 key.
中込祐 g.
祈り
生まれる
比屋定篤子 vo.
小林治郎 b.
竹本一匹 per.
千田利貞 per.
トガゼン per.
野崎洋一 key.
田中義人 g.
松田肇 g.
酒井聡行 sax
坂田学 ds.
カエターノ
東輝美 vo. g.
千田利貞 per.
愛のうた
言葉
ねおみい vo.
花れん vo.
Emi vo.
扇谷研人 key.
河野充生 b.
熊田俊彦 ds.
松田肇 g.
下野禎幸 g.
もっちーの遺影に向かい、
皆で拍手を贈り、締めくくりました。
わたしにとり、彼女の魂のメッセージは
大まかにいうとこのようなものです。
「誰かがもっともらしく語ることに
耳を傾けることで済まさないでね。
何がほんとうで、
何がほんとうではないのか?
ほら、自分の目で見てごらんよ!」
幸せな人は、
自分が幸せだということを
確かに知っています。
不幸せな人は、
自分が恵まれていることに
気づけずにいるのです。
わたしは、彼女と過ごす月日により、
どんな時も自分が本当に愛されていて
幸せであったことに気づかされました。
ごく身近な人たちからの想いを
もう長い間気づかずに
見過ごしてきたことにハッとさせられる。
今、この瞬間からの人づきあいに
明らかな違いをもたらす。
そんな彼女との語らいは
本当に貴重なものでした。
もっちー、ありがとう。
心を傾け、耳をすましてみれば今も、
もっちーの肉声が胸中にこだまします。
持田裕子という、ひとりの生命。
彼女が残してくれた大きな愛は、
今もこれからも私達の胸中に生き続けます。
生前、病床の彼女に、
「もっちーの唄ばかりのライブをやりたいんだ〜!」
と伝えると、
「それは夢のような企画だねぇ!」
と、それは嬉しそうにしていました。
持田裕子追悼ライブは、
その夢が実現した
最初の夕べとなりました。
すべてをアレンジしてくださった
中込祐さん、松田肇さんをはじめ
関わるすべての方々に深く感謝します。
帰り道、お客様 2人組とご一緒しました。
会場では、壁に貼られたDMを
ずっとじっくりと眺めていたのを
覚えていたので話しかけたら、
「皆さんが歌ってくれないと、
わたしたち(持田さんの曲を)聴けないので!
またぜひお願いします!」
と熱烈にリクエストされました!
「この追悼ライブのメンバーで
持田裕子トリビュート・アルバムを制作しよう!」
という声も!
ぜひ、実現したいです。
わたしたちは、持田裕子さんの創った
素晴らしい楽曲の数々を折にふれ
大切に歌い継いでいくので、
まだ持田作品になじみのない方も
機会あればどうぞ、
彼女の作品にふれてみてくださいね。
【持田裕子 関連リンク】
持田裕子さんからのメッセージ (2014年3月)
長文にもかかわらず、最後までお読みくださり本当にありがとうございました。
笑 満ちる、こと
Yuko(本崎祐子)
P.S.
こちらのライブでは、
彼女の珠玉の作品から
「はじめてがいっぱい」 と
「言葉」 をとりあげます。
縁あって出逢ったばかりのシンガー、
井上留美子さん(るーちゃん)と、
互いにふれあい、とけあう過程を
もっちーの「はじめてがいっぱい」の歌詞になぞらえて
ライブのタイトルに起用させていただきました!
井上留美子&笑 満ちるDuoサマーライブ
⇒ http://www.reservestock.jp/events/77042/
もし、奇跡的にご都合が合うようでしたら、
どうぞお越しください。
Be with you…
満ちる
笑 満ちる(えみ・みちる)
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