夢実現化コーチ
ギター・スタイリスト
笑 満ちる(えみ・みちる)です。

昨日の朝、わたしが十代の頃から
姉のように慕っていた友人が
息を引き取りました。

持田裕子(もちだ・ひろこ)さん、
もっちーです。

末期ガンでした。

手術を2回して、2回目の手術がこたえたらしく、
衰弱して治療を中止し、緩和ケアを受けている状態、
とききました。

亡くなる1週間前にお見舞いした時は
相当体力が落ちているから、
短い時間だったら、ときいていたので

ほんのわずかな時間だけ、
顔を見るだけでも、と
赤ちゃんを連れて足を運んだところ、

作品のエピソードや
これまでのわたしたちのこと、

どうやって曲を書いているか、なんて
極めてクリエイティブな話題で盛り上がり
お互い夢中になって、

気づいたらなんと1時間半近くも
話し込んでいました。

静かにこうして二人で会うことができ、
やせ細り骨ばった身体を抱きしめ、

わたしがどんなに彼女に救われたか、
しっかりと伝えることができたのが救いでした。

これから彼女の曲ばかりをやる
ライブをやるから、と言うと、

「それは、夢のような企画だね〜!」

と嬉しそうにしていました。

そして、数日が経ち、
いよいよ心拍数やら血圧やらから
いつ心臓が止まってもおかしくない、

と知らされたので、
3人のこどもたちを連れて
再び病院へ向かいました。

昼下がり、個室には
入れ替わり立ち替わり
昔なじみのミュージシャン仲間や
彼女の同級生などがつめかけ、

最後のライブを鑑賞したり、
レコーディングした音源を聴いたりと
ベッドに横たわる彼女を囲んで
賑やかで軽快なムードでした。

痛み、苦しみを通り抜けている最中(さなか)。

辛そうにしたり、
時々目を見開いたり、
何か言いかけたり、
昏睡しているようにみえたり。

まもなくこの世を去ろうとしているのですが、
なんでしょうか。
そこはまるでお祭りか、お祝いのようなのです!

白衣を着たドクターが部屋を訪れ、

「同窓会ですかー!」

と言葉をもらすほど賑やかで、
あったかい世界がそこにありました。

この日も、子連れだし
ほんの短い時間だけでも、
と思って出かけたのに、

面会時間を過ぎ、消灯時刻が近づいて
お子様連れはこの後はご遠慮ください、
と言われるまでずっと病院にいました。

なんだろう、無性に一緒にいたくて。
そばにいた友人たちも、同じようにして
遅くまでそばにいました。

こどもたちもひどく騒ぐこともなく、
しんみりしたり深刻になりすぎたりすることもなく、

ただただ集まった友人たちの間をすり抜けては
みんなを笑顔にしてくれ、一役買っていました。

❤️2014年3月23日、最後の出演ライブとなった
いのちの花かんむり(主催されたねおみいのブログより)

この日、生まれてまもない
次女ひかりを連れて会いにいきました。

mocchi_yuko_hikari

この日、彼女が歌った一曲は、
最期まで看取った中込祐さんの歌でした。

わたしのBirthday Music Delightsでも
祐さんは、音響を担当してくれたり
素晴らしい音楽を弾き語りしてくれたり。

祐さんも、本当にいい歌を書くんです!

ここにも、大事なことがいっぱいつまってました。

彼女のブログから少し引用すると、

(以下引用)
3/23(日)に出演するライブイベント、
「いのちの花かんむり」(詳細は→こちら)

いのちの輝きの象徴としての
花かんむり。お互いもちよって
支え合い、助け合おうというのが
コンセプトのこのイベントで、

何を歌うか考えて、ひとつ選んだのが
中込祐さんのオリジナル
「キミドリバス」っていう歌。

 耕す 昨日の土地
 結わくよ 明日の空
 キミドリバス 出かけよう
 ここに今 種をまき

っていうサビがすごく好きで、

この歌をつくったきっかけのひとつが
彼が被災地にボランティアに行ったときに
見た光景なんだそうです。

ボランティアに向かう車中から、
おばあちゃんが畑で
くわをふりあげてるのが見えて、

広大な土地で、ぽつんとひとり、

小さな、か弱いおばあちゃんの
そのひとくわが、復興に際して、
どれだけの力になるかはわからないけど、

でも、その小さなひとくわは、
確かに未来を作っていく
力強いひとくわだ、と。

言葉はこの通りじゃなかったけど、
そんなふうに感じたことを
ライブのMCで話してて、

ああ、その通りだって思ったんです。

私自身の命も、今後、
どこまでもつのかわからないけど、

私のひとくわも、非力でも、
何かしら、未来の礎になるんだな、と。

何十億人と住むこの星で、
いままでも、これからも、
人々はそうして未来をつくってきたし、
これからもつくっていく。

つまり、ひとりひとりの存在は
非力でも、なんでもなく、
すっごいパワフルで、

世界は、ひとりひとりの力で
変わっていく、変えられる、って
理屈じゃなくて、リアルに思わせてくれたこの歌。

今回のイベントで、ぜひ歌わせてほしくて、
作者の中込さんに、歌のバッキングをお願いしました。

この歌を聴くみなさんが、
どんなふうに感じるかわかりませんが、
私は、こんな思いを込めて
その思いがちゃんと届くように歌いたいです

体調が悪いので、なかなか発声や
練習ができないんですが、
それを言い訳にしないで、がんばります。

体調がよくなくても、
できることはいろいろある。

体調がよくなれば、
さらにできることがいろいろある。

その時々、最大限のできることをがんばれば、
悔いは残らない。

そうやって、がんばってるうちに、
気が付いたら、身体が良くなってて
社会復帰もできている、っていうのが理想だけど、

身体が良くならなくては、何もできない、とか、
ちゃんとしてないとだめ、っていう発想は
あんまり役に立たないですよね。

できることを、ちょっとでもいいからやる。

まあ、今はそれしかできないから、なんですが、
以前は、ちゃんとしなくちゃ、ってことばかり
考えていた気がします。
病気になって学んだことのひとつ。

小さなひとくわでも、
違いは生まれるのだから。
ちょっとでも、どうにかする。
ちょっとでも、何か行なう。

ちょっとでいいなら、今の私でもできることが、いっぱい!
わ~い!

(引用以上)

引用元:
http://ameblo.jp/growinggreen/entry-11792939923.html

わたしがもっちーに初めて出会ったのは、
まだ17歳で高校の制服で放課後に
メーザー※ に通っていた頃でした。

※メーザーハウス、という音楽学校です。

アンサンブルのクラスで一緒になったことから
20年以上の付き合いでした。

わたしが20代半ばに心身を病み、
とても音楽が続けられなくなり、

生活苦に喘ぎ、それでもつっぱり燃え尽き、
朽ちそうになっていたあの頃、

同情するのではなく、
あえて厳しく叱り飛ばしてくれた人。

それがもっちーでした。

2002年4月、夕方6時半に
会う約束をしていました。

当日、待ち合わせ時刻になっても
一向に現れないわたしに
彼女は電話をくれました。

わたしはというもの、心身を病み、
文字通り立ち上がることすら
できない状態でした。

まだ床に伏していると伝えたら

「だったら、来な!」

と、穏やかながらも
ものすごい強い意図で
わたしを呼び寄せ、

フラつきながらおよそ1時間後に
彼女の目の前に到着。

わたしの全身をくまなくさわりながら
話をきいてくれました。

その日は朝から何も食べておらず、
もらったおむすびを食べるなり
床に吐き散らしてしまうほど
病んでいたわたしでした。

悩みだらけで毎日泣いてばかりいたわたしは、
彼女の愛のある鋭い言葉に感応し、
曲がりなりにも強くなり、子宝にも恵まれ
幸せを謳歌するまでになりました。

真実とは何か、
ということを教えてくれた人。

今や他の人に勇気や希望を
与えられる存在になれたのは、
もっちーのおかげだから。

悔いの残らない生き方、なんていったら、
どうだろう、的外れなのかもしれない。

でも、幸せに生を全うするには、やっぱり
できることを、ちょっとでもいいからやる。

それでいい。

今日は、大切な人の話でした。
最後まで読んでくださってありがとうございました。

満ちる

追伸:

もっちーの唄をひとつ、紹介します。

言葉

言葉にたくした ほんとの言葉
言葉でかくした ほんとの言葉
心を許せる 言葉はどこに?
心と心を 近づけたいのに

言葉はぬけがら 言葉と言葉の間にある
こころはぬけがら どこからどこまで信じあえる
言葉さぐりあう めぐりあうよろこびを
だいなしにしながら

伝えてほしいのは ほんとの言葉
きいてほしいのは ほんとの言葉
けれども ときどき あきらめたくなる
届かぬ言葉を 胸にとじこめ

私とあなたの 言葉と言葉の間にある
心 遠いまま 何をどうしたらわかりあえる
言葉交わすたび 行くあてのない道を
さまよっているように

とってもさびしい とってもさびしい
ラララ

どうか受けとめて ほんとの言葉
きっと受けとめる ほんとの言葉
心をかたむけ 耳をすまして
ほんとの言葉をわかちあえたら

私とあなたの 言葉と言葉の間にある
心がつながる 大きな大きな空の中で
心 風に乗り ちぎれてもまた
ひとつになれる 雲になって

私とあなたの 心と心の間にある
言葉がつながる 大きな大きな空の中で
言葉 風に乗り ちぎれてもまた
ひとつになれる 雲になって

どこまでも行ける どこへでも行ける
どこまでも行ける あなたといっしょに
どこまでも行ける どこへでも行ける
どこまでも行ける あなたといっしょに

言葉/持田裕子(もちだひろこ)

もっちー、ありがとう!

彼女の唄は、ここで聴けます:

CDで聴く(マドレーヌレコードさん)
http://www.madeleinerecords.com/artists/hiroko-mochida/

ダウンロードして聴く、試聴する(iTunesストア)
https://itunes.apple.com/jp/album/ainouta-ep/id257441561

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笑 満ちる(えみ・みちる)

笑 満ちる(えみ・みちる)

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